ライ麦パンが苦手だった人へ

「ライ麦パンって、なんか酸っぱくて苦手で……」

そう言っていたお客さんが、今では「今日は食パンにしようか、ライ麦にしようか」と迷いながら選んでくれています。しかも、そのお客さんは70代。

えぷりーずのライ麦パンは、なぜかハードルが低い。食べてみると「あ、これ好きかも」ってなる。今日は、その理由をお話しさせてください。

大草原の小さな家に出てきたパンの話

突然ですが、「大草原の小さな家」って読んだことありますか?

あのシリーズのどこかに、お母さんがパンを焼くシーンが出てきます。焼く前の生地を少しだけ取っておいて、次のパンを焼くときにその生地に粉を足してまた焼く。電気も冷蔵庫もない時代に、生地は毎日少しずつ受け継がれていた。

読んだとき、「これだ」と思いました。

えぷりーずのやり方は少し違います。パン生地と種は別々に管理していて、ライ麦と水だけで育てた種を4日かけてじっくり熟成させ、焼くときにライ麦粉と合わせます。でも「前の発酵を次へ受け継いでいく」という根っこの考え方は、インガルス家のお母さんがやっていたこととまったく同じだと思っています。

普通のパンと、何が違うの?

パンを作るとき、「種(スターター)」を使う量は、新しく加える粉に対して数%〜20%くらいが一般的です。

えぷりーずのライ麦パンは、種を60%入れます。

新しく加える粉はたった40%。つまり、このパンの主役は新しい粉じゃなくて、4日かけて育てた種そのものなんです。

「なんでそんなに種を多く入れるの?」と思いますよね。

4日間じっくり発酵させた種には、乳酸菌や酵母菌がたっぷり育っています。この菌たちが発酵しながら、小麦やライ麦のタンパク質(グルテン)を少しずつ分解してくれる。分解が進んだグルテンは、消化器官への負担がぐっと少なくなります。

以前のブログ(「グルテンの正体は?」)でも書きましたが、2〜3時間で作ったパンと、長時間発酵させたパンでは、グルテンの状態がまったく違います。研究では、長時間発酵のサワードウ系パンでグルテン濃度が最大97%減少したという報告もあるほど。ライ麦パンも同じで、発酵が長いほど体への負担が減っていくんです。

長く発酵させた種をたっぷり使うほど、胃腸にやさしいパンになる。それがえぷりーずがこの割合にこだわる理由です。

「癖がある」どころか、自然に手が伸びるパン

ライ麦パンに対して「酸っぱい」「重い」「独特な風味が苦手」というイメージを持っている方は多いです。実際、市販のライ麦パンは風味が強くて好みが分かれることがあります。

でも、えぷりーずのライ麦パンを食べたお客さんからよく言われるのは——

「なんか食べやすい」

「食べ方を教えてもらったらハマった」
「ライ麦苦手だったのに、これは大丈夫」

長期発酵させた種を60%使うのに、とんがった酸味や重さがない。乳酸菌由来のやさしい酸味と、発酵が長い分だけ引き出された深い旨みが、じんわり広がります。

70代のお客さんが「今日は食パンとライ麦どっちにしようかな」と普通に迷ってくれるのも、きっとそこにある気がしています。

一度食べてみてほしい理由

ライ麦パンって、実は日本では長らく「玄人向け」のパンとして扱われてきました。でも本来、長時間発酵をさせたライ麦パンは、むしろ体にやさしくて食べやすい。

種を育てて、時間をかけて、粉の数倍もある種をどんともとに焼く。その分だけ、味も深くなるし、体への負担も減る。

「ライ麦パンって苦手かも」と思っているなら、一度だけ食べてみてください。もしかしたら、その日から「今日はどっちにしようかな」と迷う一品になるかもしれません。


🍞 えぷりーずのパンについて
自家製ライ麦種と玄米酵母で長時間発酵させたパンを、京都宇治からお届けしています。
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