前回の第5話では、犬の腸と人の腸の違いから「外で発酵させたものを取り入れる」ことが犬に合っている理由をお話しました。
そして、発酵ゴマ味噌が犬に向いている理由も。
今回はもう少し具体的な話をします。
実際に発酵ゴマ味噌を食べた犬のうんちがどう変わったか。
えぷるで実際に起きたことをそのままお伝えします。

バナナうんちとは何か
犬のうんちの理想とは何でしょうか。
腸が整っているときのうんちの特徴はこうです。
・形がまとまっている
・バナナのような形と硬さ
・拾いやすい
・においが強すぎない
・色が茶色で黒すぎない
これを「バナナうんち」と呼んでいます。
逆に腸が整っていないとこうなります。
・下痢・軟便
・コロコロとした硬いうんち
・においが強い
・色が極端に濃かったり薄かったりする
うんちは腸の状態をそのまま映した鏡です。
えぷるの犬でも起きた変化
えぷるの犬も、発酵ゴマ味噌を食べ続けることでうんちが変わりました。
バナナのような形と硬さのうんちが出るようになったのです。
毎日様子を見ているからこそわかる変化です。
形がまとまっていて、拾いやすい。においも落ち着いてきた。
こんなに変わるんだと実感したのが、発酵ゴマ味噌を続けるようになったきっかけでもあります。
お客さんの犬でも起きたこと
えぷるのお客さんで、こんな声をいただきました。
「ずっと下痢気味で困っていたんです。でも発酵ゴマ味噌を食べさせていたら、だんだんうんちがまとまってきて。今はちゃんとした形で出るようになりました。」
下痢が続いている犬の腸は、何かがうまく働いていないサインです。
それが少しずつ整っていったということ。
食欲が出てきたという話も
もうひとつ、こんなことも言ってもらいました。
「うちの子、もともとご飯をあまり食べない子だったんです。でも発酵ゴマ味噌を乗せてからよく食べるようになって。香りが好きみたいで、ご飯に近づくようになりました。」
発酵ゴマ味噌には、ゴマと味噌の発酵由来の香りがあります。
犬は嗅覚がとても敏感な生き物です。
この香りが食欲を引き出すことがあるのです。
食べることへの意欲が戻ってきたというのは、腸だけでなく体全体の状態が上向いているサインかもしれません。
なぜ発酵ゴマ味噌でうんちが整うのか
ここで少し仕組みをお話します。
発酵ゴマ味噌が犬のうんちを整えるのには理由があります。
①消化しやすい形で栄養が入ってくる
発酵によってタンパク質はアミノ酸に分解されています。犬の腸は素早く消化吸収するのが得意な腸です。すでに分解された栄養は、腸の負担なく吸収されます。
②腸内細菌のエサになる成分が含まれている
味噌にはオリゴ糖や食物繊維など、腸内細菌のエサになる成分が含まれています。腸内細菌が元気に働けると、腸の動きが整ってきます。
③死菌も腸内細菌のエサになる
加熱した発酵食品でも、発酵によって作られたアミノ酸や栄養素は残ります。さらに加熱された菌(死菌)も腸内細菌のエサとして働きます。つまり生か加熱かより、発酵によって作られたものが腸に届くことが大切なのです。
少量でも意味がある
「少ししかあげていないのに効果があるの?」
そう思う方もいるかもしれません。
発酵ゴマ味噌はたくさん与えるより少量を続けることが大切です。
その理由のひとつが、発酵食品には多くの菌が含まれているということです。
味噌はひとさじの中にも、乳酸菌をはじめとするたくさんの微生物と、発酵によって作られたアミノ酸やペプチドなどの成分が詰まっています。
少量でも腸内細菌のエサになる成分や消化を助ける成分が届く。だから少量でも意味があるのです。
犬の腸は人より短く、刺激に敏感です。一度にたくさん与えると逆に負担になることもあります。ほんの少しをいつものご飯に添えるだけで十分です。
塩分が気になる方へ
「味噌って塩分が多いんじゃないの?」と心配される方もいると思います。
これはとても大切な視点です。
まず、えぷるの発酵ゴマ味噌の塩分量は約6%前後。一般的な人用の味噌は種類にもよりますが、11〜12%前後のものが多いです。えぷるの発酵ゴマ味噌はその半分以下になるよう、減塩で作っています。
さらにもうひとつ知っておいてほしいことがあります。
人間の発酵食品の話で参考になるのが、福井の「へしこ」や滋賀の「鮒ずし」です。どちらも塩分が多い発酵食品ですが、長期発酵の過程で乳酸菌などの微生物がたんぱく質をアミノ酸やペプチドに分解します。
このペプチドには血圧上昇を抑制する働きがあると言われており、「塩分は多いのに体への負担が思ったより少ない」という研究結果があります。
つまり発酵によって塩の性質が変わり、体に届くときの影響が変わってくることがあるのです。
犬についての直接的な研究はまだ限られていますが、健康な犬は余分なナトリウムを尿から排出する仕組みを持っています。そして発酵ゴマ味噌は一度に大量に与えるものではなく、少量をご飯に添える使い方です。その量であれば、塩分を過剰に心配しすぎなくてもよいと考えています。
ただし腎臓や心臓に持病がある犬、シニア犬の場合はかかりつけの獣医師に相談しながら使うことをおすすめします。
量より、続けること
もうひとつ大切なのは継続です。
腸は一日で劇的に変わるものではありません。腸内細菌のバランスが少しずつ整っていくのに時間がかかります。
毎日少量を続けることで、腸はじわじわと応えてくれます。
うんちの変化に気づいたとき、その変化はすでに腸の中で積み重なっていたものが表に出てきたということです。
少量でいい。続けることが大事。この2つを覚えておいてください。
うんちは今日の腸の答え
愛犬のうんちを毎日見ていると、体の状態が少しずつわかってきます。
バナナうんちが出る日が増えてきたら、それは腸が整ってきているサインです。
ご飯をよく食べるようになった、元気がある、そんな変化も腸とつながっていることがあります。
発酵ゴマ味噌は特別なものではありません。毎日のご飯に少し添えるだけのものです。でも続けることで、腸はちゃんと変わっていきます。
次回予告|第7話(最終話)
「人にいいから犬にもいい」そう思って発酵食品を与えていませんか?
実は人の感覚でそのまま犬に与えると、腸に思わぬ負担をかけることがあります。
次回は「SIBO(シーボ)」という小腸に菌が住み着く状態を入口に、なぜ犬への発酵食品の与え方が大切なのかをお話します。
このシリーズの最終話です。


