今年の梅雨は、雨がよく降りましたね。気温も上がりきらず、じめじめと肌寒い日が続きました。
実は、こういう梅雨こそ、犬のお腹には負担の大きい時期です。うちの子も、今年は何度かゆるいうんちをしました。

なぜ、梅雨は腸が乱れるの?
理由はひとつじゃなくて、いくつも重なっています。
- 気温の乱高下。犬は1日の気温差が7℃以上になると、下痢をしやすいと言われています。寒暖差で自律神経が乱れて、腸の動きがついていけなくなるからです。
- 梅雨冷え。お腹が冷えると、胃腸の働きそのものが落ちます。食欲が落ちる、軟便になる、はそのサインです。
- 低気圧。気圧が下がると血のめぐりが悪くなり、胃腸の動きも鈍くなります。人が「雨の日はなんだかだるい」のと、同じことが体の中で起きています。
今年みたいに気温が低くてジメジメした梅雨は、この冷え・寒暖差・低気圧が全部そろいやすい。犬のお腹には、なかなかハードな季節なんです。
ちなみに、便秘も下痢も、どちらも「腸がうまく動けていない」という同じ乱れのあらわれ。かたくても、ゆるくても、根っこは同じところにあります。
私が腸もみで教わった、大事なこと
少しだけ、私自身の話を。
先日、はじめて腸もみのマッサージに行ってきました。便秘の人はお腹に硬い所や詰まった所があって、触ると分かるのだそうです。私は——「どこもふわふわで、硬い所がないですね」と言ってもらえました。しかも施術の間、お腹の中で腸がぐんぐん動き出したのが自分でも分かって、びっくり。発酵食を続けてきたからかな、と思っています。
そのとき、なるほどと教わったのが「力加減」です。
腸もみというと、ぐっと強く押すイメージがあるかもしれません。じつは、それが逆効果。腸を動かしてくれるのは、リラックスしている時に働く副交感神経です。強く押されて「痛い」と感じると、体は緊張モードに切り替わり、腸はかえって縮こまってしまいます。
だから、やさしく、ゆっくり、温めるように。「効かせよう」と力むほど、腸は動かなくなる。おもしろいですよね。
実は、犬にも「お腹マッサージ」があります
ここで、犬の話に戻ります。
犬にも、飼い主さんができる「お腹マッサージ」があるんです。獣医さんも便秘ケアとして紹介している、やさしいふれあいの方法です。
- まず手のひらを温めてから(冷たい手だと、びっくりして嫌がります)
- おへそを中心に、時計回りに「の」の字を描くように
- 押さずに、手のひらで温めるイメージで、そっとなでる
- 食後すぐや遊んだ直後は避けて、リラックスしている時に
人の腸もみとまったく同じで、「押す」より「ゆるめる」。強くしないことが、犬でも大事なんです。
※お腹は内臓が近いデリケートな場所。強く押すのは禁物です。そして、何度も下痢が続く・ぐったりしている・食欲がない・震えている、そんな様子があるときは、マッサージより先に動物病院へ。
でも、腸を作るのは毎日の食べもの
マッサージは、外から腸をそっと後押ししてくれる、うれしい助けです。
でも、毎日の腸そのものを作っているのは、やっぱり食べもの。外からゆるめてあげることと、内側から整えること。その両方があって、腸は元気に動きます。そして「内側から」を毎日ささえてくれるのが、発酵食です。
(→ 過去記事「腸は「出す場所」じゃない。体をつくる場所」もあわせてどうぞ)
崩れてからより、崩れる前に
うれしい報告がありました。
毎年この時期になると胃腸を崩してしまうワンちゃんの飼い主さんが、「今年は発酵食を続けていたら、ずっといいうんちが出ているんです」と、わざわざ教えに来てくださったんです。周りの子は下痢が多い中で、うんちの調子もいいし、いつもなら落ちる食欲もしっかりある、と。
発酵食は、お薬のように「崩れたものを治す」ものではありません。でも、崩れにくい土台を、毎日少しずつ育てていくもの。だからこそ、みんなが崩しやすいこの季節に、その差が出たのだと思います。
えぷるの犬用発酵セサミ味噌は、ごはんにほんの少し混ぜるだけ。犬のフルーツ酢も、いつもの食事やお水に少し足すところから始められます。(※味噌には塩分があるので、人間用ではなく犬用を、ごく少しずつ。)
そして、思いきって「自分で作ってみる」のも、じつはおすすめです。
えぷるの発酵教室では、野菜やキノコ、動物性の食材を使って、いろいろな発酵食品を手作りしています。自分の手で仕込むと、発酵ってこんなに身近なんだ、と一気に楽しくなりますよ。
次回は、7月13日(尼崎)と、7月19日(京都・二条)で出張教室をひらきます。「うちの子の腸活、何から始めよう」と思っている方は、ここから覗いてみるのもいいかもしれません。
👉 くわしくは、えぷるのインスタグラムをご覧ください。
梅雨から夏へ
犬の腸にとっては、気をつかう季節が続きます。でも、無理にがんばらせる必要はありません。やさしくお腹をなでてあげること、そして毎日の食事を少し整えること。その小さな積み重ねが、夏を元気に越える体をつくってくれます。
まずは今日、うちの子のお腹を、あたたかい手でそっとなでるところから。
次回は「夏の暑さ」の話
梅雨が明ければ、いよいよ本格的な夏。次に気をつけたいのは、ときに命に関わることもある「熱中症」です。
次回は、犬の熱中症のサインや、いざという時にどうすればいいか——知っておくと安心な話を、しっかりお届けします。
今日整えた腸と、これからの暑さ対策。その両方で、この夏を元気に越えていきましょうね。


