なぜ大豆を先に発酵させたのか

エクオールの連載で、植物エストロゲンを含むものを3つ書きました。大豆とライ麦とゴマです。

その3つで、2種類のパンを焼きました。

なぜか合わない気がした

茹でた大豆をたくさん入れると、酸味が薄れて合わない気がしました。

あとで思い出したのですが、ずっと前に豆を少しだけ入れたパンを焼いたことがあります。そのときはスパイスを合わせるとおいしくなりそうだと思って足して、結果いいパンになりました。

ただ、あれは豆が少なかったからまとまったのだと思います。今回入れる量では、あの形にはならなかったはずです。

忘れていたのに頭の隅にあったのは不思議なこと。なぜ合わないのかも調べてみました。

調べたら理由がありました

パンの科学に「緩衝能(かんしょうのう)」という言葉があります。酸を加えてもpHが下がりにくくする力のことです。

たんぱく質が多いものほど、この力は強くなります。大豆はたんぱく質の塊です。

つまり茹でただけの大豆をたくさん入れると、生地の酸を打ち消してしまう。酸の量は変わらなくても、酸っぱさが弱く感じられます。

ライ麦の生地は酸でできています

ライ麦にはアミラーゼという、でんぷんを分解する酵素がとても多く含まれています。そのまま焼くとでんぷんが分解されすぎて、中がネチャついた生焼けのような状態になります。

サワー種の酸が、この働きを抑えています。

連載で、ライ麦にはグルテンの網ができないと書きました。網の代わりに生地を支えているのがペントサンという食物繊維と、乳酸発酵の酸です。

つまり酸は、味ではなく骨格です。

だとすると酸が薄まるのは、味だけの問題では済みません。パンとして成り立たなくなります。

だから大豆を先に発酵させました

茹でた大豆を塩水に入れて、3日ほど乳酸発酵させました。

こうすると大豆は、すでに酸を持った状態で生地に入ります。打ち消すのではなく、同じ側に立つわけです。

※ 大豆をどれだけ入れるとどれだけpHが動くか、という数字までは調べられませんでした。ここは私がそう考えている、という話です。

もう一本はゴマのパン

その大豆の発酵液を使って焼きました。

粉に対してすりごまを20パーセント入れて、パンの周りには粒ゴマをたっぷりまぶしています。

連載に書いた3つ

大豆とライ麦とゴマ。この2本で、3つとも入っています。

このパンに合わせるディップも作っているので、出来上がったら、また書きます。

通販でも買えます

この2本は、おまかせライ麦パンとおまかせパンセットに入れてお届けします。店頭にも並びます。

そのほかのパンは配送パンの一覧からどうぞ。

今日もパンを焼いています。

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