エストロゲンって、体で何をしているんだろう

「更年期」という言葉は、よく聞きます。「女性ホルモンが減る」というのも聞きます。

でも、その女性ホルモンが、体の中で何をしているのか。

これから何回かに分けて、エクオールというものの話を書きます。その前に、どうしても知っておいてほしいことがあるので、今回はその話をします。

ホルモンって何だろう

たぶん名前は聞いたことがあると思います。

アドレナリン。びっくりしたときや、緊張したときに、心臓がドキドキしますよね。あれは、アドレナリンというホルモンが出て、心臓に「速く動け」と伝えているからです。

インスリン。ごはんを食べて血糖が上がると、インスリンが出て、体に「糖を取り込みなさい」と伝えます。

成長ホルモン。子どもの背が伸びるのも、これです。

共通しているのは、「体のどこかで作られて、離れた場所に指示を届けている」ということ。

ホルモンとは、体の中を回っている指示書のようなものです。血に乗って流れていって、届いた先の働きを変えます。

エストロゲンも、そのひとつです。女性ホルモンと呼ばれるもののひとつで、主に卵巣で作られます。

指示は、どうやって届くのか

指示書は、受け取る側がいて初めて届きます。

細胞のほうに、その指示書だけが入る受け取り口があります。鍵と鍵穴のような関係です。エストロゲンという鍵が、その鍵穴に入る。すると、その細胞に指示が届きます。

ひとつ、例を出します。

骨の細胞には、「骨を壊す作業を、ほどほどにしなさい」という指示が届いています。その指示を運んでいるのが、エストロゲンです。

指示が届いているあいだは、骨を壊す作業にブレーキがかかっています。指示が来なくなると、ブレーキが外れます。

——「鍵が来る」というのは、こういうことです。

そして大事なのは、この鍵穴が、骨だけにあるのではないということです。

体じゅうにあります。

どこで、何をしているのか

具体的に見ていきます。

骨は、一度できたらそのままではありません。毎日、古いところが壊されて新しく作り直されています。

エストロゲンは、その「壊す側」にブレーキをかけています。だからエストロゲンが減ると、ブレーキが弱くなって、骨がもろくなりやすくなります。閉経後に骨粗しょう症が増えるのは、これが理由です。

血管

エストロゲンは血管をしなやかに保つことに関わっています。悪玉と呼ばれるコレステロールを減らす働きにも関わっていて、閉経後に動脈硬化のリスクが上がるのはそのためだと言われています。

皮膚

エストロゲンには、皮膚のコラーゲンを増やして、うるおいやハリを保つ働きがあります。

自律神経

エストロゲンは、交感神経と副交感神経のバランスを保つことにも関わっています。更年期にめまいやほてり、のぼせ、動悸が出るのはホルモンの変化で自律神経が揺れるからです。

そのほか

髪、粘膜、そして子宮や乳房。月経の周期を作っているのもこのホルモンです。

こういうことです

エストロゲンは「女性の体を作るホルモン」というより体じゅうの調子を整えている存在です。

骨も、血管も、肌も、自律神経も。全部、同じ鍵で動いています。

50代は、鍵が減っていく時期です

エストロゲンは20代から30代がいちばん多く、40代の後半から急に減っていきます。閉経を境に大きく下がりますが、これは病気ではありません。誰にでも起きることです。

ただ、覚えておいてほしいことがあります。

鍵穴のほうは体じゅうに残ったままです。

減るのは鍵だけ。受け取る場所は、ずっとそこにあります。

※ つらい症状があるときは、我慢せずに婦人科で相談してください。この記事は、食べもので何とかしましょうという話ではありません。まず知っておきたいことを書いています。

そして、ここからが本題です

じつは、この鍵とよく似た形のものを腸で作れる人がいます。

似た形なので同じ鍵穴に入ることができます。

それがエクオールです。

——そして作れる人と、作れない人がいます。

次回はその話を書きます。

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