酪酸菌は食べるより育てる。日本人の腸とライ麦の話

「酪酸菌が日本人に合う」って本当?

最近「酪酸菌」という菌の名前をよく聞くようになりました。なかでも「日本人の体に合う」と言われています。

酪酸菌とは、腸の中で「酪酸」という成分を作る菌のことです。

では、なぜ日本人に合うと言われるのでしょう。今日はその話をします。

酪酸菌が入った食べ物は本当に少ない

「酪酸菌がいいなら、たくさん食べたい」。そう思いますよね。

ところが調べてみると、酪酸菌が入っている食べ物は本当にわずかしかありません。ぬか漬けや、臭豆腐(中国や台湾の発酵食品)くらいです。

しかもぬか漬けは、酪酸菌がぬか床の底にいるうえ、食べるときにぬかを洗い流してしまいます。ほとんど口に入っていないのです。

ぬか床そのものの話はぬか漬けは秋がいちばん食べやすいに書きました。

じゃあ、どうすればいいのか。

酪酸菌は「食べて入れる」よりも「腸で育てる」ほうの菌だった、ということです。

酪酸は腸の中で何をしているのか

研究でわかっていることを、二つだけ書きます。

  • 大腸の細胞のエネルギー源になります。大腸の細胞は酪酸をごはんにして働いています
  • 腸の中を弱い酸性に保ちます

これは体の中で起きていることの説明です。そこから先、何が良くなるのかは私が言えることではないので書きません。

日本人の腸は酪酸を作るのが得意

世界の国々と比べた研究で、日本人の腸は食物繊維から酪酸などの成分を作るのが得意だとわかっています。

海外ではガスになって出ていってしまう成分を、日本人は酸に変えている。それくらい違いがあるそうです。

私たちはずっと昔から、お米や野菜や海藻やお漬物をたくさん食べてきました。その食生活が長い時間をかけて、今の腸をつくってきたのだと思います。

つまり日本人は「酪酸菌を食べて増やす」より「もともといる菌をエサで育てる」ほうが向いている、ということになります。

何を食べればいいのか

酪酸菌のエサになるのは水溶性食物繊維です。こんな食べ物に多く含まれています。

  • 玄米・大麦(もち麦)
  • わかめ・のり・もずくなどの海藻
  • ごぼう・きのこ
  • 果物

そしてライ麦も、食物繊維がとても多い穀物です。

玄米を気にされる方もいます。その話は「玄米は体に悪い」って本当?に書きました。

ここでひとつ前の話を思い出してください。パンを焼くと乳酸菌は死んでしまうけれど、その死んだ菌も腸の菌のエサになる。そうお伝えしましたよね。

「菌を入れる」のではなく「菌を育てる」。私はそう考えてライ麦のパンを焼いています。

その考えで焼いたのが大豆を先に発酵させてから入れたライ麦パンです。

逆にたんぱく質ばかりに偏ると、このエサのほうが減ります。その話はうちの人が卵を1日6個食べていますに書きました。

「グルテンが心配」より意識を変えてみる

パンというと「グルテンが気になるから避けたい」という方もいます。

でも避けることばかり考えるより、何を食べるかのほうに意識を向けてみてほしいのです。

グルテンについてはグルテンって、そもそも何なんだろうにくわしく書きました。読んでいただくと、パンが怖くなくなると思います。

※ 体質でお医者さんから食事の指導を受けている方は、お医者さんの言うことが一番です。

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